佐保姫(読み)サホヒメ

デジタル大辞泉 「佐保姫」の意味・読み・例文・類語

さほ‐ひめ【佐保姫】

春をつかさどる神。佐保山奈良の都の東方にあり、方角四季に配すれば春にあたるところからいう。春の女神佐保神。さおひめ。 春》「―の眠や谷の水の音/東洋城」→竜田姫たつたひめ
ジオウ別名

さお‐ひめ〔さほ‐〕【佐保姫】

さほひめ(佐保姫)

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精選版 日本国語大辞典 「佐保姫」の意味・読み・例文・類語

さお‐ひめ さほ‥【佐保姫】

〘名〙
① 春をつかさどる女神。春の女神。佐保神。《季・春》
※宇津保(970‐999頃)春日詣「さほひめはいくらの春を惜しめばか染めいだす花の八重に咲くらん」
延喜式(927)三七「元日御薬〈略〉生地黄(さほひめ) 地黄一名地髄」
③ 春にとらえられた鷹。さおひめがえり。さおひめだか。
※仮名草子・尤双紙(1632)上「山がへり、こ山帰りのさほひめや、たがへる鷹のおもがへり」
[語誌]大和国の歌枕、佐保山を神格化した語。秋の女神である龍田姫に対する。龍田山が平城京の西にあるのに対して佐保山は東にあるため、陰陽五行説から春の女神として定着し、青柳や霞などとともに詠まれることが多い。

さほ‐ひめ【佐保姫】

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動植物名よみかた辞典 普及版 「佐保姫」の解説

佐保姫 (サホヒメ)

植物。ゴマノハグサ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ジオウの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐保姫の言及

【季語】より

…使用人が生家へ帰るならわしだった),門松,注連飾(しめかざり),餅花(穀物の豊作を予祝する小正月の飾り),蓬萊,若水(元日の朝にくむ水),雑煮,鏡餅,屠蘇,太箸(正月用の白木の箸),年男(新年の儀式,家事などをつかさどる男),年始,年玉,万歳(松の内に祝言を述べた門付芸),独楽(こま),歌留多,初夢(その年の吉凶を占う夢),初荷,御用始(官庁の仕事始め),鍬初(くわぞめ)(農耕の仕事始め),初市,書初,初場所(1月の大相撲),初釜(はつかま)(新年最初の茶の湯),破魔弓(子供の厄よけのお守り)。
[春]
 水温(ぬる)む,山笑う(春の山の生気に満ちたようす),余寒(よかん)(寒があけても残っている寒さ),冴返(さえかえ)る(寒気のぶり返し),啓蟄(けいちつ)(二十四節気の一つで虫類が冬眠から覚める候),霞,麗(うらら)か,長閑(のどか),朧(おぼろ)月夜,永日(えいじつ)(春に感じる日の長さ),春眠,春愁(春の物思いや哀愁),春の宵,行く春(まさに終わろうとする春),惜春(春をおしむ心),弥生尽(やよいじん)(春の尽きる陰暦3月の末日),水取り(東大寺二月堂の修二会(しゆにえ)の行事),初午(はつうま)(2月初午の日の稲荷神社の祭礼),雛祭,開帳(秘仏の公開),遍路(四国八十八ヵ所の巡礼),野遊(のあそび)(春さきに野山に遊び飲食する),汐干狩(しおひがり),踏青(とうせい)(春の野遊び),風船,風車(かざぐるま),石鹼玉(しやぼんだま),鞦韆(しゆうせん)(ぶらんこ),凧(たこ),東風(こち)(春を告げる風),春嵐(はるあらし),春一番(春になって最初の強い南風),貝寄風(かいよせ)(陰暦2月20日ころ難波の浦へ吹く風),霾(つちふる)(黄沙のこと),花曇(花どきに多い曇天),雪崩(なだれ),陽炎(かげろう),花冷(花どきのうすら寒さ),春泥(雪どけや春雨によるぬかるみ),菜種梅雨(菜の花どきの長雨),野焼(野山の枯草を焼くこと),野火(野焼きの火),末黒野(すぐろの)(野焼きで黒く焦げた野),下萌(したもえ)(地中から出る草の芽),彼岸(春分の前後7日間),帰雁(北へ帰る渡り鳥),鳥雲に入る(帰雁が雲間に見えなくなること),桜鯛(さくらだい)(産卵のために内海へ来る鯛),苗代,忘れ霜,八十八夜(立春から88日目),恋猫(こいねこ)(寒中から早春にかけての交尾期の猫),鳥交(とりさか)る,囀(さえずり)(小鳥の春の鳴き方),雲雀(ひばり),雉子(きじ),燕(つばめ),蛙,蝶,白魚(しらうお),菜の花,蕗の薹(とう),蒲公英(たんぽぽ),土筆(つくし),梅,桃の花,桜,木の芽,佐保姫(さほひめ)(春の女神),麦踏,獺(かわうそ)魚を祭る(七十二候の一つ),北窓開く(春になって北側の窓を開ける),暮の春(春の終りごろ。暮春),草餅。…

※「佐保姫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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