住宅品質確保促進法(読み)ジュウタクヒンシツカクホソクシンホウ

デジタル大辞泉 「住宅品質確保促進法」の意味・読み・例文・類語

じゅうたくひんしつかくほ‐そくしんほう〔ヂユウタクヒンシツカクホソクシンハフ〕【住宅品質確保促進法】

《「住宅品質確保促進等に関する法律」の略称》⇒品確法

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「住宅品質確保促進法」の意味・わかりやすい解説

住宅品質確保促進法
じゅうたくひんしつかくほそくしんほう

正式には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」という。1999年(平成11)6月成立、2000年4月施行。住宅については、その構造設備、建て方などが複雑化し、とかくこれらをめぐって欠陥問題、消費者問題が引き起こされている。同法は、これらの問題を予防し、適切な処理が促進されるために成文化された。「住宅性能表示制度創設」「紛争処理体制の整備」「新築住宅について10年間の瑕疵(かし)担保責任の義務づけ」の三つの柱からなっている。住宅性能表示制度では、住宅性能を契約の事前に比較できるよう新たに日本住宅性能表示基準を設定するとともに、客観的に性能を評価できる第三者機関として指定住宅性能評価機関を設置し、住宅の品質の確保を図るとしている。紛争処理体制については、第三者的立場の指定住宅紛争処理機関を設けることとした。また、新築住宅の取得契約において、基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分など)については10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられた。これらによって、住宅の品質を確保し住宅購入者の利益保護すること、さらに住宅にかかわる紛争の迅速かつ適正な解決を図ることが、おもな目的となっている。この制度によって、いわゆる欠陥住宅がまったくなくなるわけではないが、住宅消費者の保護について大きく前進したことだけは間違いない。

[加藤憲一郎]

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知恵蔵 「住宅品質確保促進法」の解説

住宅品質確保促進法

住宅の品質確保の促進等に関する法律。2000年4月施行。住宅の強度や耐久性を高め、欠陥住宅を解消しようとするもの。主な内容は、(1)新築住宅の契約に関する瑕疵(かし)保証制度として、すべての新築住宅の取得契約(請負/売買)時に基礎構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水浸入を防止する部分等)に、10年間の瑕疵担保責任(補修請求権等)を義務付ける。(2)構造耐力、遮音性、省エネルギー性などの住宅の性能を表示して、事前に比較できるように住宅性能表示制度を創設。また、客観的に性能を評価できる第三者機関(指定住宅性能評価機関)を設置し、表示される住宅の性能についての信頼性を確保する。同機関による住宅性能評価書を添付して契約を交わした場合は、その記載内容(住宅性能)が保証される。(3)性能評価を受けた住宅に関するトラブルに対しては、裁判外の紛争処理機関を設けて円滑、迅速に処理する。これまで新築住宅だけを対象にしていたが、02年度には新たに既存住宅の評価についても基準が加えられた。

(平井允 まちづくりプランナー / 2007年)

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