似て非なり(読み)にてひなり

精選版 日本国語大辞典 「似て非なり」の意味・読み・例文・類語

に【似】 て 非(ひ)なり

(「孟子尽心・下」の「孔子曰、悪似而非者、悪莠恐其乱一レ苗也、悪佞恐其乱一レ義也」から) 外見は似ていながら、その内実は異なるもの、まがいものである。
※玉塵抄(1563)二五「俗学は本々ではなうてそばな学をする似て非なぞ」

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デジタル大辞泉 「似て非なり」の意味・読み・例文・類語

◦なり

《「孟子」尽心下から》ちょっと見たかぎりでは似ているが、実際は全く違う。「慎重と臆病とは―◦なるものである」
[類語]別個別別別様べつよう別種別口べつくち別枠別途別建て個別個個各個異種似ても似つかない

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故事成語を知る辞典 「似て非なり」の解説

似て非なり

似ているように思われるが、実際には異なるということ。

[使用例] ここに一人の怠け者があって、それが口を上手にしてすがって来たとする。その口上手に乗ぜられ、ものをやったとする。それは慈悲に似て非なるものであります[岡本かの子*仏教読本|1934]

[由来] 「孟子―尽心・下」の一節から。「子わく、似て非なる者をにくむ(孔子は、似ているようで異なるものが嫌いだと言っている)」と述べて、うわべだけ善い行いをする偽善者は、真の善人とまぎらわしいからよけいに問題だ、と痛烈に批判しています。

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