伯耆流(読み)ほうきりゅう

精選版 日本国語大辞典 「伯耆流」の意味・読み・例文・類語

ほうき‐りゅう はうきリウ【伯耆流】

〘名〙 居合の一流派。広島三次の王見甚三郎桂石を祖とし、片山伯耆守久安によって、慶長一五九六‐一六一五)の頃、興されたもの。伯耆真流ともいう。〔武術流祖録(1843)〕

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デジタル大辞泉 「伯耆流」の意味・読み・例文・類語

ほうき‐りゅう〔はうきリウ〕【×耆流】

剣道一派片山伯耆守久安ひさやすが慶長年間(1596~1615)に創始。居合抜き特技とする。片山流

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「伯耆流」の意味・わかりやすい解説

伯耆流
ほうきりゅう

近世居合(いあい)(抜刀(ばっとう))の一流派。流祖は片山伯耆守久安(ほうきのかみひさやす)(1575―1650?)。片山伯耆流、抜刀伯耆流、略して伯耆流という。これに対し、周防岩国(すおういわくに)の宗家(そうけ)片山家では、剣術を主に、居合を従とし、片山流と称する。久安の伝記は明らかではないが、通称藤次郎のち勝次郎といい、家譜によれば、片山家は作州の竹内(たけのうち)家(竹内流の宗家)とは親戚(しんせき)関係にあり、初めは居合腰の廻(まわ)りを称したといい、父藤八郎正庵(とうはちろうしょうあん)(一説に伯父松庵)より居合十八刀および一子相伝の秘太刀(ひだち)を受けたという。1596年(文録5)阿太古(あたご)社に七日七夜参籠(さんろう)し、貫の字を夢みて抜刀の妙術を明悟し、京都に上がって一貫流を称し、関白豊臣秀次(とよとみひでつぐ)に教授して有名となった。1610年(慶長15)参内して、前殿で天下治平の祈祷(きとう)をし、居合「磯之波(いそのなみ)」を演じて叡感(えいかん)を被り、従(じゅ)五位下(げ)伯耆守に叙せられたという。しかし15年(元和1)大坂落城後は浪人となり、周防に下り、一時芸州浅野家に出入りしたが、やがて岩国に来住し吉川(きっかわ)家に仕えたという。

[渡邉一郎]

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デジタル大辞泉プラス 「伯耆流」の解説

伯耆流

居合術の流派のひとつ林崎夢想流創始者林崎甚助重信に学んだ片山久安が、慶長年間に創始。初め一貫流と称したが、後陽成天皇から従五位下伯耆守(ほうきのかみ)に叙せられたことにちなむ伯耆流の名が定着した。

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