伝播(読み)でんぱ

精選版 日本国語大辞典 「伝播」の意味・読み・例文・類語

でん‐ぱ【伝播】

〘名〙
① 伝わりひろまること。広く伝わること。また、広くまきちらすこと。でんぱん。
江戸繁昌記(1832‐36)二「意はざりき、早く已に人間に伝播せんとは」 〔宋史‐賀鋳伝〕
物理学で、波動媒質の中をひろがって行くことをいう。

でん‐ぱん【伝播】

〘名〙 (「ぱん」は「播」の慣用音) =でんぱ(伝播)〔布令字弁(1868‐72)〕

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デジタル大辞泉 「伝播」の意味・読み・例文・類語

でん‐ぱ【伝×播】

[名](スル)
伝わり広まること。広く伝わること。「文化が東へ伝播する」
波動が媒質の中を広がっていくこと。「熱が伝播する」
[補説]「でんぱん」と読むのは誤り。
[類語]波及伝染広がる広まる行き渡る流布るふ浸透弥漫びまん蔓延まんえん伸展発展はびこるのさばる流行猖獗しょうけつ跋扈ばっこ跳梁ちょうりょう横行

でん‐ぱん【伝×播】

でんぱ(伝播)」の誤読

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世界大百科事典 第2版 「伝播」の意味・わかりやすい解説

でんぱ【伝播 diffusion】

文化人類学用語。二つの文化が直接あるいは間接に接触した場合,一方の文化から他方の文化へ,文化要素の移行受容が行われる現象をさす。この意味において伝播は人類に普遍的であり,また人類の歴史のすべての段階に存在し,これによって,最初局地的に知られているだけだった創造的努力成果が広まり,また再発明手間を省くことによって文化の発展を促進してきた。既存のある文化体系に新しい文化要素がつけ加わるのには,その文化体系内部での発明と,他文化からの伝播とがあるが,ともに同様な過程をたどる。

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普及版 字通 「伝播」の読み・字形・画数・意味

【伝播】でんぱ

伝え広がる。〔唐才子伝高適〕年五十、始めて學び、詩を作ることち工(たく)みなり。~一已(をは)るに、好事の、輒(すなは)ち傳播吟玩す。

字通「伝」の項目を見る

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