伝助賭博(読み)でんすけとばく

精選版 日本国語大辞典 「伝助賭博」の意味・読み・例文・類語

でんすけ‐とばく【伝助賭博】

〘名〙 =でんすけ(伝助)
世界裏街道を行く(1955)〈大宅壮一〉中近東諸国「デンスケ賭博(トバク)に似たやり方で物を売っている」

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デジタル大辞泉 「伝助賭博」の意味・読み・例文・類語

でんすけ‐とばく【伝助賭博】

街頭で行う詐欺賭博の一種。円板上を回る針が止まる所を予想してけるもの。昭和10年(1935)宇都宮競馬場外で刑事増田伝助がこれを見破り検挙したところからの名称という。

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改訂新版 世界大百科事典 「伝助賭博」の意味・わかりやすい解説

伝助賭博 (でんすけとばく)

移動できる台を使って,てきやが行う街頭賭博のこと。単に伝助ともいう。タバコの空箱3個を並べて印のあるものをあてるモヤガエシ,ガラス張りの台のなかの針のさす場所をあてるドッコイドッコイ,紙を丸めた小さな玉を使うモミダマなど各種ある。いずれもしかけがあるかさくらを使う〈いかさま〉で,客には〈やらずぶったくり〉といって賭金をとらせない。伝助は人名と思われるが語源は不明。また,携帯式テープレコーダーを〈でんすけ〉と呼ぶのは移動できる台にちなむという。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「伝助賭博」の意味・わかりやすい解説

伝助賭博
でんすけとばく

移動しやすい台(これをデンスケとよぶ)を使って街頭で行うイカサマ博奕(ばくち)。たばこの箱を使う「ピース抜き」「モヤ返し」、円盤回転する針を仕掛けて、その円周上の文字に賭(か)けさせ、針を回し、回転が止まって針のさしたところが当りになる「ドッコイ・ドッコイ」、そのほか「モミダマ」「赤黒」など多数ある。いずれも手さばきでごまかしたり、仲間サクラに当りをとらせたり、ときには暴力沙汰(ざた)にも及ぶイカサマ賭博である。

稲垣史生

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