伝(漢字)

普及版 字通 「伝(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)傳
人名用漢字 13画

[字音] デン
[字訓] つたえる・おくる・うつす

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字は傳に作り、人+專(専)(せん)、專は(ふくろ)の中にものをつめこんだ形。これを負って運ぶことを傳という。他に運び伝える意である。〔説文〕八上に「遽(きよ)なり」とあるのは伝遽。すなわち駅伝形式で運ぶことをいう。金文の〔散氏盤(さんしばん)〕に「傳」という語があり、遠方に流罪とする意。この金文では、自己詛盟の語として用いる。を負って、所払いとなることをいう。〔孟子、万章下〕の「傳質(でんし)」は、贄(し)(謁見のときの献上物)を負って歴遊し、出仕を求めること。のち伝達・伝習の意に用いる。

[訓義]
1. つたえる、はこぶ。
2. おくる、のこす、のちに伝える。
3. ひろめる、のべる。
4. うつす、かきつたえる、とりつぐ。
5. やど、やどり、はたご、宿駅、とらえておくる。
6. わりふ、てがた、旅券
7. 古書の注。古義を解きつたえる。
8. 伝記、人の生涯の記録。

[古辞書の訓]
名義抄〕傳 ツタフ・ワカツ・タノム・アマネシ・イカル・タスク・ツテニオクル・タダ・ヲシフ 〔字鏡集〕傳 ツタフ・ヲシフ・オクル・カシヅク・アマネシ・タノム・ワカツ・タスク・ツネニ・ツテニ・イタル・タダ・スヂ・ククタル

[熟語]
伝位・伝意・伝胤・伝駅伝家・伝下・伝火伝訛・伝看・伝柑・伝館・伝観・伝奇・伝記・伝騎・伝遽・伝教・伝業・伝空・伝形・伝継・伝檄・伝言・伝呼・伝鼓・伝後・伝語・伝国・伝座・伝催・伝賛伝尸・伝屍・伝質・伝示・伝写・伝車・伝舎・伝授・伝受・伝襲・伝習・伝祝・伝述・伝書・伝誦・伝抄・伝承・伝称・伝唱・伝觴・伝乗・伝情・伝食・伝心・伝神・伝信・伝真・伝進・伝訊・伝世・伝声・伝説・伝宣・伝染・伝・伝禅・伝伝送・伝単・伝置・伝致・伝注・伝注・伝逓・伝統・伝灯伝道・伝伝播・伝売・伝拝・伝杯・伝蹕・伝布・伝・伝諷・伝服・伝覆伝聞・伝伝法・伝烽・伝本伝馬・伝名・伝命・伝夜・伝訳伝与・伝用伝来伝吏伝略・伝流伝留伝令伝臚伝漏
[下接語]
遺伝・永伝・駅伝・家伝・訛伝・皆伝・外伝・記伝・久伝・旧伝・急伝・給伝・虚伝・口伝・駆伝・経伝・喧伝・古伝・誤伝・再伝・史伝・書伝・星伝・盛伝・宣伝・相伝・俗伝・置伝・馳伝・逓伝・飛伝・秘伝・必伝伝・評伝・風伝・別伝・流伝・列伝

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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