会津新宮城跡(読み)あいづしんぐうじょうあと

国指定史跡ガイド 「会津新宮城跡」の解説

あいづしんぐうじょうあと【会津新宮城跡】


福島県喜多方市慶徳町にある新宮氏の城館跡。福島県西部、会津盆地北西部に位置する。新宮氏は、鎌倉時代から室町時代初期にかけて陸奥国耶麻(やま)郡新宮荘(現福島県喜多方市)を支配した、中世における有力武将。鎌倉末期に新宮荘地頭として土着し、14世紀末以降、のちに戦国大名に成長する蘆名(あしな)氏としばしば争い、1415年(応永22)以降に会津新宮城は落城し、新宮氏は蘆名氏に滅ぼされた。城跡は、東西100~120m、南北120~130mの方形居館の主郭と、東西約480m、南北約440mで自然の河川と人工の堀によって画す外郭で構成されている。出土品の中には東北地方では少ないかわらけや奢侈品(しゃしひん)があった。鎌倉時代から室町時代にかけて平地の方形居館が領主の拠点となっていったが、新宮城跡は文献史料もあわせて、その具体的なあり方がわかる貴重な遺跡である。2009年(平成21)、国指定史跡となった。JR磐越西線喜多方駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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