休(漢字)

普及版 字通 「休(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(異体字)
9画

[字音] キュウ(キウ)
[字訓] さいわい・やすむ・やむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
人+木。木はもと禾形に作る。禾は袖木のある柱。軍門として左右に立てる表木。金文の図象にその両禾軍門の象を示すものがある。その表木の前で、軍功の人を表彰することを休という。金文に、〔匡(きようゆう)〕「王曰く、休(善)なりと。匡、拜手稽首し、天子の丕(おほ)いに顯らかなる休(嘉命)に對揚(奉答)す」のように用いる。〔説文〕六上に「息止するなり。人の木に依るに從ふ」とするのは、形義ともに誤る。字はまたに作り、その儀礼の中廷で行った。字が禾に従うことについて、郭沫若は軍行中は禾中を避けずに休息する意であるとするが、わざわざ作付けの地を択んで休息することはない。軍門旌表の意よりして、休善・休烈・休休寧の意となる。のち休暇・休息の意に用いる。

[訓義]
1. さいわい、よい、めでたい、よろこび。
2. さかん、大きい、うるわしい。
3. やすらか、つつましい、ゆるす、おちつく。
4. やすむ、やむ、いこう。
5. ひま、いとま。

[古辞書の訓]
名義抄〕休 ヤスム・ヤスシ・ヤム・イコフ・ヨシ・ヰル・ヲコル・トドマル・トトノフ 〔字鏡集〕休 ヨロコビ・イコフ・ヨシ・サイハヒ・ヲコタル・ヤスシ・トトノフ・サダム・ヤム・トドマル・ヲサム・ヰル・ヤスム

[声系]
休はまたに作る。(こう)の異文にがあり、の形声の字であろう。

[語系]
休()xiu、好xu、畜・xiukは声近く、休善の意において通ずる。〔孟子、梁恵王下〕に「君を畜(この)むとは、君を好むなり」とみえるが、本来は休善とすることをいう。

[熟語]
休意休懿・休逸・休詠休謁・休宴休偃・休応・休下・休暇・休嘉・休仮休澣・休帰・休気休棄・休休休咎・休居・休享・休勲・休慶・休憩休歇・休・休遣・休顕・休・休行・休光休告・休妻・休作・休止休祉・休時・休日・休舎・休書・休祥休職・休神・休盛休戚・休休祚・休息・休足休惰・休退・休題・休沢・休致休徴・休兆・休暢・休・休貞休提・休禎・休典・休図・休・休徳・休寧・休廃・休範・休美・休風・休福・休兵・休平・休命・休明・休名休沐・休佑・休祐・休裕・休誉・休予・休養・休浴・休隆・休糧・休令・休烈・休老・休和
[下接語]
運休・偃休・王休・恩休・嘉休・帰休・恵休・公休・皇休・告休・受休・紹休・垂休・息休・退休・長休・定休・停休・禎休・罷休・丕休・兵休・祐休・連休

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android