普及版 字通 「伐(漢字)」の読み・字形・画数・意味
伐
常用漢字 6画
[字訓] うつ・きる・ほこる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
人+戈(か)。戈(ほこ)を以て人を斬る形。一時に多く殺すを(せん)という。〔説文〕八上に「つなり」、また「一に曰く、敗るなり」という。卜辞に「三十羌(きゃう)を伐(ころ)さんか」など、羌人を伐す例が多く、殷墓に多くみられる斬首葬は、その羌人犠牲であろう。軍功を旌表することを伐旌(ばっせい)といい、その家を門閥という。〔論語、公冶長〕「願はくは善に伐(ほこ)ること無(なか)らん」と、誇示の意にも用いる。
[訓義]
1. うつ、人をうつ、首切る。
2. 討伐する、やぶる、ころす。
3. 蔑(べつ)、閥と通じ、ほこる、あらわす、てがら。
4. 発と通じ、おこす、すく。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕伐 ウツ・キル・ホコル・ソホコル・トル・コル 〔字鏡集〕伐 ホコル・ウツ・カル・タツ・ソホコル・キル・コル・トル
[声系]
〔説文〕に伐声として一字を収める。軽蔑の蔑は、古くは(べつ)の形にしるし、伐の声義を承ける字であった。そのの声は閥の字に残されている。閥もこの声系に加えるべき字である。
[語系]
伐・閥・罰biuatは同声。その功を賞することを閥といい、その悪を懲らすことを罰という。蔑miatは、古くその両義をもつ語であった。
[熟語]
伐柯▶・伐害▶・伐矜▶・伐撃▶・伐採▶・伐罪▶・伐山▶・伐生▶・伐性▶・伐善▶・伐断▶・伐知▶・伐徳▶・伐伐▶・伐冰▶・伐木▶・伐滅▶・伐櫓▶・伐閲▶
[下接語]
矜伐・撃伐・功伐・克伐・刻伐・採伐・殺伐・残伐・斬伐・自伐・侵伐・征伐・剪伐・誅伐・討伐・盗伐・薄伐・放伐・濫伐
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報