伊藤晴雨(読み)いとうせいう

改訂新版 世界大百科事典 「伊藤晴雨」の意味・わかりやすい解説

伊藤晴雨 (いとうせいう)
生没年:1880-1961(明治13-昭和36)

明治大正・昭和初期にかけて活躍した異端画家。8歳のとき琳派の画家野沢堤雨の門に入り,生涯を通じて〈責め絵〉〈縛り絵〉を描きつづけた。とくに1927年から5年を費やして刊行した《いろは引江戸と東京風俗画史》全6巻は,画家・時代考証家としてのすぐれた業績ひとつに数えられる。交友関係も演劇,文・画壇にまたがり,落語家の桂文楽らからは〈駒込先生〉と慕われた。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊藤晴雨」の解説

伊藤晴雨 いとう-せいう

1882-1961 明治-昭和時代の日本画家。
明治15年3月3日生まれ。新聞各紙に挿絵をえがき,ついで芝居看板舞台装置を手がける。のち江戸趣味の著作専心。責め絵,幽霊画で知られた。昭和36年1月28日死去。78歳。東京出身。本名は一(はじめ)。著作に「いろは引 江戸と東京風俗野史」。

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百科事典マイペディア 「伊藤晴雨」の意味・わかりやすい解説

伊藤晴雨【いとうせいう】

明治から昭和初期にかけて活躍した絵師。東京浅草生れ。光琳派の絵師野沢堤雨に師事。生涯を通じ責め絵・縛り絵を描いた。《いろは引江戸と東京風俗画史》全6巻(1927年−1932年)は,絵師・時代考証家としてのすぐれた業績のひとつに数えられる。

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