伊吹武彦(読み)いぶきたけひこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊吹武彦」の意味・わかりやすい解説

伊吹武彦
いぶきたけひこ
(1901―1982)

フランス文学者。大阪生まれ。東京帝国大学仏文科卒。京大教授。ラフォルグプルーストジッド、バレリーらの文学と文体論専攻。第二次世界大戦後は『世界文学』を発刊し、いち早くサルトルカミュを紹介した。フロベールボバリー夫人』、ラクロ『危険な関係』ほか、翻訳多数。とくに20年間の心血を注いだ『仏和大辞典』(1981)編集の功績は大きい。また、京都・パリ姉妹都市の結成など、日仏文化交流に尽力し、1961年にレジオン・ドヌール勲章を受けた。著書に『近代仏蘭西(フランス)文学の展望』(1963)、『ジュール・ラフォルグの文体』(1964)がある。

[窪田般彌]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊吹武彦」の解説

伊吹武彦 いぶき-たけひこ

1901-1982 昭和時代のフランス文学者。
明治34年1月27日生まれ。三高教授をへて昭和24年京大教授。フランス近・現代文学の翻訳につとめ,21年「世界文学」誌を主宰。サルトル,カミュらの実存主義の紹介に貢献した。昭和57年10月12日死去。81歳。大阪出身。東京帝大卒。旧姓は森。著作に「近代仏蘭西(フランス)文学の展望」,編著に「仏和大辞典」など。

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