伊佐津川(読み)いさづがわ

日本歴史地名大系 「伊佐津川」の解説

伊佐津川
いさづがわ

綾部市の於与岐およぎに発して舞鶴市をほぼ北流、万願寺まんがんじ池内いけうち川を合わせ、下安久しもあぐを通り舞鶴湾に注ぐ。もと真倉まぐら川といい、池内川とは別流して各々舞鶴湾に注いでいた。池内川との合流は近世以降である。

近世の田辺たなべ城下およびその南方の地は、往古、海が山際まで深く湾入し、真倉川・池内川およびその西方を流れる高野川の三川は、それぞれ同名の谷を貫流し、現在の笠水かさみず(ウケミズ)神社(字公文名)付近で合流していたと考えられている。

天正八年(一五八〇)丹後に入国した細川藤孝は、三川の下流域、田辺郷八田はつた村の地に築城した。慶長五年(一六〇〇)藤孝は石田三成方(西軍)の攻撃を受け、田辺城に籠城するが、この時の田辺籠城図(当地域を描く最古の地図、田中真人家蔵)によれば、城の東側に真倉川、西に高野川が流れ、北部は海に面し、南部は一面の湿地であるため、特別な防御施設を設けていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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