日本大百科全書(ニッポニカ) 「任天堂(株)」の意味・わかりやすい解説
任天堂(株)
にんてんどう
かるた・トランプ、家庭用レジャー機器メーカー。1889年(明治22)山内房次郎が京都で花札製造に着手したのが始まりで、1907年にトランプの製造も開始、業界での地位を確立していった。第二次世界大戦後の1947年(昭和22)に株式会社丸福を設立、51年に社名を任天堂骨牌(かるた)とした。1959年にウォルト・ディズニー・カンパニーと契約し、「ディズニートランプ」を発売した。1963年に任天堂と社名を変更したが、トランプやかるたの製造販売に限界を感じ、室内ゲーム部門を強化し、新しい方向を模索した。エレクトロニクス技術と娯楽ソフトノウハウを融合した商品開発に力を注ぎ、1977年に三菱電機と共同で家庭用テレビゲームを開発した。1983年にテレビゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売、人気ソフトをそろえる戦略をとり、85年には自社製ソフト「スーパーマリオブラザーズ」が大ヒットした。ハードでも、1989年(平成1)に「ゲームボーイ」、90年に「スーパーファミコン」、96年に「NINTENDO(ニンテンドウ)64」、2001年に「ニンテンドーゲームキューブ」、04年に「ニンテンドーDS」、05年に「GAME BOY micro(ゲームボーイミクロ)」、06年に「Wii(ウィー)」と新商品を出している。海外進出も積極的で、ハードとソフトを含めて全世界規模のゲーム市場を形成した。資本金101億円(2008)、売上高1兆4355億円(2008)。
[中村青志]