普及版 字通 「以(漢字)」の読み・字形・画数・意味
以
常用漢字 5画
[字訓] もって・おもう・ともに・ひきいる・ゆえ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
(すき)の形。〔説文〕十四下に「は用ふるなり。反已に從ふ」とし、賈侍中説として「已、已の實なり。象形」とする説を引く。已意は(よくい)という草。字は象形で、耜(すき)の形。もとと同文。のち字形は厶・・以に分かれた。
[訓義]
1. 用・庸と通用し、もって、もちいる。
2. 為・謂と通用して、おもう。
3. 与と通用して、ともに。
4. 率と通用して、ひきいる。
5. 名詞として、ゆえ、理由説明的に用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕以 モチヰル・モツ・モテス・コレヲモテ・モチフ・ヰテアリク・ヲモフ・モテスト云フ・ヲモンミレバ・オモヘラク・トモニ・タメニ・スデニ・アタフ・ユヱ/以 ユヱ・コノユヱニ/是以 ココヲモテ
[声系]
以・已・厶・はもと同字。以・已・にそれぞれその声系の字があり、矣・台は厶の声系に属する。以声に・似・があり、は(ふい)。に胚胎(はいたい)の意がある。
[語系]
以ji、與(与)jia、用・庸jiong、爲(為)hiuai、謂hiut、(率)shiutは声近く、語として系列をなし、通用することがある。
[熟語]
以為▶・以謂▶・以往▶・以下▶・以外▶・以還▶・以及▶・以後▶・以降▶・以次▶・以上▶・以心▶・以西▶・以前▶・以内▶・以文▶・以聞▶・以来▶
[下接語]
何以(なにをもって)・曷以(なにをもって)・是以(このゆえに)・所以(ゆえん)・有以(ゆえあるなり)
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報