付和雷同(読み)フワライドウ

デジタル大辞泉 「付和雷同」の意味・読み・例文・類語

ふわ‐らいどう【付和雷同】

[名](スル)一定主義主張がなく、安易に他の説に賛成すること。「多数派付和雷同する」
[補説]「不和雷同」と書くのは誤り。
[類語]矮人わいじん観場かんじょう同意賛同支持賛成雷同便乗聴従適従追随追従驥尾きびに付す下手に出る後塵を拝する人のふんどしで相撲を取る尻馬に乗る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

四字熟語を知る辞典 「付和雷同」の解説

付和雷同

主義主張を持たず、軽々しく他人の説に同調すること。

[活用] ―する。

[使用例] 低血圧のせいなのか、私は事件に対してわっと反応し、付和雷同してさわぐことができない。したがってワンテンポおくれてしまうのである[星新一*きまぐれ暦|1975]

[使用例] あのおしゅうとめさんは頭の回転が鈍い人なんで、すぐに付和雷同する人やから。お姑さんもっとしっかりした人やったら、きっとわたしたち、彼女が死ぬまでいい友達やったと思う[米谷ふみ子*過越しの祭|1985]

[使用例] 付和雷同の「単一の説」がどれだけ国を誤らせ、人々にやくさいをもたらしてきたことか[ちく哲也*ニュースキャスター|2002]

[解説] 「付和」と「雷同」の合成語です。「付和」の「付」はその人のがわにつくこと、「和」はその意見に合わせること。また、「雷同」は、雷の音に共振するように、人の意見に同調することです。
 人の意見に賛成するだけなら悪いことではありません。ただ、「付和雷同」は、深い考えもなく同調するという、よくないニュアンスで使われます。
 「付和」も「雷同」も中国語にあることばです。それが近代の日本語で「付和雷同」「雷同付和」と四字熟語になりました。同じように作られた類義語として、「ふう雷同」「盲従雷同」「雷同附随」「付和随行」などがあります。
 付和雷同を痛烈に批判した文章としては、福沢諭吉の「ていちゅうこうろん」が有名です。明治維新功労者だった西郷隆盛が、西南戦争を境に、手のひらを返すように全否定されたことに、福沢いきどおりを示します。当時の新聞記者たちの態度を、「世間の噂話に雷同」するものだと、厳しい調子で論じています。

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