付加縮合(読み)フカシュクゴウ

化学辞典 第2版 「付加縮合」の解説

付加縮合
フカシュクゴウ
addition-condensation

付加反応と縮合反応の繰り返しで起こる重合のこと.多く熱硬化性樹脂が付加縮合によって合成されている.たとえば,フェノール-ホルムアルデヒド樹脂(ベークライト樹脂)は次に示す付加反応と,縮合反応の繰り返しで重合が進行する.

一般に,付加縮合は酸塩基触媒で起こり,反応条件によって生成物が異なる.フェノールのかわりにキシレンナフタレンなどの芳香族炭化水素尿素メラミンをホルムアルデヒドと作用させても付加縮合が進行する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の付加縮合の言及

【合成樹脂】より


[製法]
 比較的低分子の物質(モノマー)を結合して,数千~数万の分子量をもつ高分子とする。高分子の合成方法として,重合,重縮合,重付加,付加縮合という基本反応が用いられる。重合とはエチレン,スチレン,塩化ビニルのように不飽和結合が開いて高分子化する例,ナイロンのように環状モノマーのε‐カプロラクタムが開環する例がある。…

【重合】より

…重合は一般にモノマーの間に共有結合が生じることによって起こり,そのような変化が起こる反応を重合反応という。重合反応には,付加重合,縮合重合,重付加,開環重合,付加縮合などがある。
【付加重合addition polymerization】
 付加重合反応を行うモノマーは,それ自身で互いに付加しうるような反応性の基をもつ化合物で,不飽和結合,とくに炭素‐炭素二重結合をもつ化合物がその代表である。…

※「付加縮合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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