精選版 日本国語大辞典 「他・異・徒・空」の意味・読み・例文・類語
あだし【他・異・徒・空】
〘形シク〙
① (他・異) (古くは「あたし」とも) 異なっている。別のことである。
※観智院本名義抄(1241)「他 アタシ ホカ」
② (徒・空) はかない。変わりやすい。また、むなしい。実(じつ)がない。
※歌謡・松の葉(1703)三・加賀ぶし「あだしこの身を煙となさば」
あだし【他・異・徒・空】
〘語素〙
② (徒・空) 名詞につけて、「移りやすい、はかない」、また、「浮気な、心の変わりやすい」の意を表わす。「あだし心」「あだし言葉」「あだし契り」「あだし情」など。
[語誌]「あだ」に、副助詞「し」がついた語、また、形容詞語尾「し」がついた語などといわれる。「あだ」と同じように使われるが、「あだ」の方が次の体言との熟合度が強い。
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