仕置(読み)しおき

精選版 日本国語大辞典 「仕置」の意味・読み・例文・類語

し‐おき【仕置】

〘名〙 (動詞「しおく(仕置)」の連用形の名詞化)
① 処置すること。采配(さいはい)すること。また、その手段。特に、国や組織を采配し、取り締まること。
※上杉家文書‐永祿一二年(1569)一一月一三日・北条氏康書状「両越之境堅固無之而者、信州不可有御長陣候、此処令分別間、越中御仕置肝要存候」
※仮名草子・身の鏡(1659)中「仕置(シオキ)のあしき家中のくせとして、隠し横目目付と名付て誓紙をさせ」
処罰。処分。成敗。おしおき。
※御伽草子・鶴の翁(岩波文庫所収)(室町末)下「いかがはせん、直江の左衛門をかたくしをきに行はばや」
浄瑠璃・五十年忌歌念仏(1707)下「主ころしともいひつべし、きっと仕置にをこなふべきが。〈略〉じひをもってたすけをく命のかはりにかみをおろし」
③ 子ども、使用人などを、体罰を加えてしかること。また、みせしめのため、懲らしめること。おしおき。
※雑俳・童の的(1754‐75)一「禿の仕置居らせて置」
④ 作り方。作る方法。製法。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「此弟子、おとなしくなりて、一分見世を出しけるに、親方にかはらず鍋蓋・火燧箱の仕置(シヲキ)、是より外をしらず」
[語誌]この語は、江戸幕府の法令整備(「公事方御定書」など)が進むなかで、権力による支配のための采配の意から刑罰とその執行の意に移行した。文化元年(一八〇四)以降に順次編集された「御仕置例類集」は幕府の刑事判例集の集大成であるが、それに先立って「御仕置裁許帳」が幕府最初のまとまった刑事判例集として、宝永期(一七〇四‐一一)までに成っていたとみられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仕置」の意味・わかりやすい解説

仕置
しおき

江戸時代受刑者に刑罰を科すこと。ときには刑罰そのものをもいう。その形態は,時期によって,また幕府や藩によって異なった。

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