(読み)かいする

精選版 日本国語大辞典 「介」の意味・読み・例文・類語

かい‐・する【介】

[1] 〘自サ変〙 かい・す 〘自サ変〙 二つの物の間にはさまる。介在する。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「自余小邦の大国に介し戦乱に苦む者に至ては其の平和を望むこと固より論なきのみ」
[2] 〘他サ変〙 かい・す 〘他サ変〙
① 二つの物の間に立てる。間にはさむ。両者の間におく。仲介とする。仲立ちとする。
※興津彌五右衛門の遺書(1913)〈森鴎外〉「景一光広卿を介(カイ)して御当家御父子とも御心安く相成居候(そろ)
② (心にさしはさむ、とめておくの意で) 心にかける。気にとめる。こだわる。→意に介す
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二「人を打ち人の物を奪ふ事〈略〉更に意に介する所なし」

かい【介】

〘名〙
甲殻のあるものの総称。主として貝。また、貝殻。転じて、よろい。〔曹植‐薤露行〕
② なかだち。紹介。→介する。〔孔叢子‐雑訓〕
③ みさお。節操。〔孟子‐尽心・上〕

かい‐・す【介】

[1] 〘自他サ変〙 ⇒かいする(介)
[2] 〘他サ五(四)〙 (サ変から転じた語) =かいする(介)(二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「介」の意味・読み・例文・類語

かい【介】[漢字項目]

常用漢字] [音]カイ(漢) ケ(呉) [訓]すけ
物の間にはさまる。「介意介在
間に入ってとりもつ。「紹介仲介媒介
そばに付き添って助ける。世話をする。「介錯かいしゃく介助介抱
外側から覆って中身を守るもの。よろいや甲殻の類。「介冑かいちゅう魚介
固く身を守る。「狷介けんかい
ひとり。一つ。「一介
[名のり]あき・かたし・たすく・ゆき・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【国司】より

…こうして令制的な国司制は斉明朝ころには全国的に成立し,その国司の下で編戸,里制の整備,戸籍の作成,班田の実施などが着々と進められたが,大税の管理権など,その権限はまだ制限されていた面もあったようで,国司制が完成の域に達したのは,大宝律令の制定(701)によってであった。
[制度]
 表のごとく,全国約60の国は大・上・中・下の4等級に分けられ,国司はその等級によって定員を異にしたが,その官制は守(かみ)(長官),介(すけ)(次官),掾(じよう)(判官),目(さかん)(主典)の四等官と史生(ししよう)(書記)から成っていて,これらは中央官人が6年(のちに4年)の任期で赴任し,その下に多数の現地出身の属吏がいた。職員令の規定によると一般の国の守は,祠社,戸口,簿帳,百姓の字養,農桑の勧課,所部の糺察,貢挙,孝義,田宅,良賤,訴訟,租調,倉廩,徭役,兵士,器仗,鼓吹,郵駅,伝馬,烽候,城牧,公私の馬牛,闌遺の雑物および寺,僧尼の名籍のことをつかさどり,とくに陸奥,出羽,越後等の国はそのほかに饗給,征討,斥候をつかさどり,壱岐,対馬,日向,薩摩,大隅等の国は鎮捍,防守および蕃客,帰化を惣知し,また三関国(伊勢,美濃,越前)は関剗および関契のことをつかさどることになっている。…

※「介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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