今(漢字)

普及版 字通 「今(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] コン・キン
[字訓] いま・もし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
もと象形の字で、壺などの蓋栓の形。酒壺に蓋栓を施した形を(あん)という。飮(飲)の初形はに従い、に作り、飲酒をいう。今は蓋栓の形であるが、その意に用いることはなく、のちもっぱら時の今昔の意に用いる。すなわち仮借の用法である。昔も肉の象であるが、のち仮借して今昔の意にのみ用い、初義には別にの字を作ってそれにあてた。〔説文〕五下に「是の時なり。(しふ)に從ひ、(きふ)に從ふ。は古なり」と字を会意とするが、字は蓋栓の形にすぎず、によって字の初義を考えることができる。今声の字に、上より蓋(ふた)して閉塞する意をもつものが多い。

[訓義]
1. いま、ただちに、きょう。
2. 近と通じ、この、これ、ここに。
3. もし、かりに問題を設定するときにいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕今 イマニ・コレ・ヒトリ・アラタム・マタ・ケフ/方今 イマニ・イママデニ・マサニイマ 〔字鏡集〕今 イマ・ヒトリ・コヨヒ・マタ・コレ・ケフ・コノトキ・アラタム・コノコト

[声系]
〔説文〕に今声として含・吟・念・(いん)・金・禽など二十五字を収め、なお含声・念声・声・金声・禽声などの字がその声系に入る。今声の字はおおむね蓋栓を加え、閉塞する意がある。右のうち金は鋳金の象形で、今とは関係のない字である。

[語系]
今kim、(近)ginは声近く、は場所的に至近の意。今は時間的に至近のときをいう。ともに代名詞「この」という指示の用法がある。

[熟語]
今韻・今雨・今音・今学・今曲・今古・今故・今士・今者・今上・今是・今世・今草・今体・今代・今天・今文・今様・今隷・今夏・今回・今暁・今月・今後・今歳・今時・今・今次・今事・今日・今秋・今春・今宵・今生・今人・今夕・今昔・今早・今旦今朝・今冬・今年・今晩・今番・今般今夜・今来
[下接語]
現今・古今・昨今・而今・自今・爾今・如今・即今・通今・当今・方今・目今・来今

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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