じん‐ぶん【人文】
〘名〙
※六如庵詩鈔‐二編(1797)三・寄題波響楼「喩如三勾呉文身地、於レ今人文難二与儔一」
※百一新論(1874)〈西周〉下「人文のまだ十分に開けない間には、法とも教とも就かぬ交ぜ混ぜな事でも甘(うま)く治まる者でござるが」
② 人に関する
事柄。人間の社会。人事。また、人倫の
秩序。じんもん。
※菅家文草(900頃)一・仲春釈奠、聴講孝経、同賦資事父事君「謂二之行一者、俯察二人文一」 〔易経‐賁卦〕
※懐風藻(751)序「逖聴二前修一、遐観二載籍一、襲山降蹕之世、橿原建邦之時、天造草創、人文未レ作」
じん‐もん【人文】
※浄瑠璃・感陽宮(1657)初「つらつらういの四きをくゎんするに、天もんをみては、ちへんをさっし、人もんをみては、
天下をくゎせいす」
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デジタル大辞泉
「人文」の意味・読み・例文・類語
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じんもん【人文 rén wén】
中国で古くから行われた人間界の事象を包括する概念。〈じんぶん〉ともいう。しかし諸事象を千差万別の存在のままにとらえるのでなく,《易経》賁の卦に〈天文を観て以て時の変を察し,人文を観て以て天下を化成す〉とあるように,それらが全体として礼教的文明世界を形づくることを期待した概念である。また〈日月は天の文なり。山川は地の文なり。言語は人の文なり〉(《劉子》慎言)ということばは,言語が人間世界を一つの図象に結び合わせる秩序の糸であることを含意している。
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「人文」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の人文の言及
【人文】より
…〈じんぶん〉ともいう。しかし諸事象を千差万別の存在のままにとらえるのでなく,《易経》賁の卦に〈天文を観て以て時の変を察し,人文を観て以て天下を化成す〉とあるように,それらが全体として礼教的文明世界を形づくることを期待した概念である。また〈日月は天の文なり。…
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