にん‐ちゅう【人中】
〘名〙
※
秘蔵宝鑰(830頃)上「或生
二人中及龍夜叉乾闥婆
一」
※
太平記(14C後)三五「
多劫の苦を受る事終て、今人中に生る」
③ 鼻の下と
上唇との間にたてにあるみぞ。じんちゅう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※
評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667)るい「人中、少くぼみ過て、はなより口へ、とひをかけたるやうにて」
ひと‐なか【人中】
〘名〙
※
書紀(720)垂仁七年七月(北野本訓)「恒に
衆中(ヒトナカ)に語りて曰はく」
※俳諧・談林十百韻(1675)上「いざ折て人中見せん
山桜〈雪柴〉 懐そだちの谷のさわらび〈正友〉」
じん‐ちゅう【人中】
〘名〙
② 鼻と口との間のほそ長いみぞ。にんちゅう。
※
解体新書(1774)一「唇上陥処。謂
二之人中
一」 〔
相書〕
にん‐じゅう ‥ヂュウ【人中】
〘名〙
① たくさんの人の中。ひとなか。じんちゅう。
※
海道記(1223頃)萱津より
矢矧「霊験日新たにして、人中の心華春の如くに開く」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「人中」の意味・読み・例文・類語
じん‐ちゅう【人中】
1 多くの人のなか。ひとなか。
2 人の体内。
3 鼻と口との間にある縦の溝。水溝穴。にんちゅう。
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普及版 字通
「人中」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
人中
鼻の下から上唇に至る縦の溝のこと。一般的に深いほど良いといわれる。
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世界大百科事典(旧版)内の人中の言及
【当身技】より
…当(あて),当身,当技(あてわざ)ともいう。人体の急所とされる天倒(てんとう)(頭頂部),烏兎(うと)(みけん),霞(かすみ)(こめかみ),人中(じんちゆう)(鼻下),水月(すいげつ)(みぞおち),明星(みようじよう)(下腹部),電光(でんこう)(右ひばら),月影(げつえい)(左ひばら),釣鐘(つりがね)(睾丸),ひざ関節などを,こぶし,指先,ひじなどで突いたり,こぶし,手刀などで打ったり,ひざ,蹠頭(せきとう),かかとなどでけったりして相手に苦痛をあたえ参らせる技である。現在は乱取(らんどり)(自由練習)や試合における勝敗が中心となり,投げ技と固め技だけが使われ,当身技は危険であるので禁じられているため,活用がおろそかになっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」