京染(読み)キョウゾメ

デジタル大辞泉 「京染」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ぞめ〔キヤウ‐〕【京染(め)】

京都で染めた、また京都風の染め物の総称鹿の子染め・友禅染の類。

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精選版 日本国語大辞典 「京染」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ぞめ キャウ‥【京染】

〘名〙 京都で染めた染物の総称。紅染、鹿の子染、友禅染など。⇔江戸染
慶長見聞集(1614)三「あやどんす、ねりはぶたへなどの京染きたるを見ては」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「京染」の解説

京染
きょうぞめ

京都で行われる染物の総称。794年(延暦13)平安遷都に際し織部司(おりべし)が設けられて以来,日本の染織の技術・生産・流行の面でつねに中心的位置を占めてきた歴史を背景に,他の都市や地方の染物に対する優越性を示している。用語としては武田信玄掟書(おきてがき)にあるのが最初といわれ,江戸時代には一般に用いられた。友禅染・絞染(しぼりぞめ)・中形(ちゅうがた)染・小紋染など各種あったが,分業化が発達し悉皆(しっかい)屋がそれらをとりまとめる点は共通特色

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「京染」の意味・わかりやすい解説

京染
きょうぞめ

伝統に培われた京都におけるあらゆる染色品をいう場合と友禅染をいう場合とがある。高級染色,特に手工芸である友禅は賀茂川水質と伝統技術とともに華麗な染色美を作り上げ,京染の代表といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の京染の言及

【着物】より

…白生地染に比べれば変化にとぼしく質素であるが,地方の家内工業の中から各種の創意が生まれた。 白生地染は京都を中心にして発達し,藍を主とする地方染に対して京染といった。これは平安朝以後のあらゆる染色技術のほかに,のりを用いた技術を加えて,友禅染,小袖染などの精巧な美術品を生むようになった。…

※「京染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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