亜鉛化合物(読み)アエンカゴウブツ

化学辞典 第2版 「亜鉛化合物」の解説

亜鉛化合物
アエンカゴウブツ
zinc compound

亜鉛は,一般に無色の二価(酸化数2)の化合物をつくる.化合物は,普通,亜鉛または酸化亜鉛から得られる.酸化亜鉛は水に不溶,ハロゲン化物はフッ化物以外,水に易溶,硝酸塩は可溶.亜鉛イオンは亜鉛を酸に溶かすと得られ,無色,有毒で,消毒に用いられる.酸とは亜鉛塩,アルカリとは亜鉛酸塩,アンモニア水では [Zn(NH3)4]2+,シアン化カリウムの過剰にはK2[Zn(CN)4]となり可溶.硫化物は蛍光体として知られ,ほかに硫酸塩,有機亜鉛などの多数の化合物が知られている.無機亜鉛塩類として劇物指定(例外:炭酸亜鉛,雷酸亜鉛).亜鉛の水溶性化合物としてPRTR法・第一種化学物質指定.生態毒性クラス1.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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