亜(漢字)

普及版 字通 「亜(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)亞
人名用漢字 8画

[字音] ア・アク
[字訓] はふり・つぐ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
旧字は亞に作り、陵墓の墓室の平面形。玄室四隅をおとした形。〔説文〕十四下に「醜なり。人の局背の形に象る。賈侍中のに、以爲(おも)へらく、弟なりと」とあり、醜悪の意とするが、字は明らかに墓壙玄室の形である。亜次の義も、墓葬を司る聖職者の意から出たものであろう。

[訓義]
1. 玄室、棺をおくへや。
2. 玄室の儀礼を司るもの、はふり。葬祭の儀礼を司るもの、その官職名。
3. 次ぐ、第二、王に次ぐ聖職者。
4. 近い、並ぶ、匹配、ひとしい、なかま。
5. 悪に通じ、醜悪の意がある。(あ)に通じ、両壻相謂う語に用いる。堊(あく)に通じ、塗る意に用いる。
6. 圧と声近く、俯す意に用いる。低い、掩う、払う、曲脊の意がある。
7. 擬声語、どもる声。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕亞 フサガレリ・ツグ・アツ・ツイデ・カナフ・ミ(ニ)クシ・シヒタリ・モノイハズ

[声系]
(あく)・(お)・惡(悪)(あく)・堊(あく)など亞(あ)声。は笑う擬声語。は相毀(そし)る意で、惡と声義が近い。玄室(亞)の儀礼は凶礼であるから、悪の意を生ずる。堊は玄室を漆(しつくい)で塗るので、その白土をいう。

[語系]
亞a akは阿aiと声近く、幼女亜奴(あど)、また阿奴(あど)、年輩の人を亜公、また阿公婦人を亜婆、また阿婆という。自称の亜儂(あのう)は呉下の阿(あもう)の阿と同じ。

[熟語]
亜尹亜魁・亜亜献・亜元・亜公・亜歳・亜次亜似亜将亜相亜帥亜聖亜迹亜祖亜駝・亜台・亜奴・亜等亜飯亜匹亜父亜流・亜旅
[下接語]
姻亜・偃亜・相亜・低亜・匹亜・流亜・倫亜

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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