井植歳男(読み)いうえとしお

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「井植歳男」の意味・わかりやすい解説

井植歳男
いうえとしお

[生]1902.12.28. 兵庫,淡路島
[没]1969.7.16. 大阪
経営者。家電メーカー・三洋電機創業者。 1917年小学校高等科卒業後,義兄松下幸之助が起した松下電気器具製作所に入社,以後松下の片腕となって働く。 35年株式に改組し松下電器産業となるとともに専務就任GHQから旧松下電器の経営者は1人を残して退社すべしとの命令に従い,46年松下を退社し,翌 47年三洋電機製作所を設立する。携帯ランプ,自転車用発電ランプ,電器スタンドからの出発であった。 50年三洋電機に改組するとともに社長に就任。 53年電気洗濯機を当時としては破格の2万円台という安値で発売し,爆発的なヒットとなる。以後テレビ受像機,冷蔵庫,掃除機と家電製品全般を扱う総合家電メーカーに成長させていった。 64年にはカドニカ電池の生産を開始し,事業の柱の1本に成長させた。創業時から海外進出に積極的で,販売網のほか製造にも力を注いだ。 68年に社長を退任し会長に就任。財界でも「井植学校」と呼ばれる集りをつくるなど,活発な活躍ぶりをみせた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井植歳男」の解説

井植歳男 いうえ-としお

1902-1969 昭和時代の実業家
明治35年12月28日生まれ。大阪で義兄松下幸之助を補佐して松下電器製作所の創業にくわわり,昭和10年松下電器産業(現パナソニック)専務。22年独立して三洋電機製作所を設立。25年三洋電機に組織替えし,社長に就任。電気洗濯機,ラジオをはじめとする家庭電化製品の量産普及に成功した。昭和44年7月16日死去。66歳。兵庫県出身。

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