井戸尻遺跡(読み)いどじりいせき

精選版 日本国語大辞典 「井戸尻遺跡」の意味・読み・例文・類語

いどじり‐いせき ゐどじりヰセキ【井戸尻遺跡】

長野県諏訪郡富士見町にある縄文遺跡総称富士見高原の山岳部尾根上に数か所にわたり散在し、縄文中期の土器など、遺物多数出土した。国史跡井戸尻遺跡群

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国指定史跡ガイド 「井戸尻遺跡」の解説

いどじりいせき【井戸尻遺跡】


長野県諏訪(すわ)郡富士見町境にある縄文時代の集落跡。八ヶ岳南麓の海抜800~1000mの尾根や台地上にある。縄文時代中期の遺跡が数多く密集しているのは、立場川から東へ2つ目の母沢から鹿ノ沢までのおよそ2.5kmの範囲で、井戸尻、曽利(そり)、藤内(とうない)、九兵衛尾根、居平(いだいら)、唐渡宮(からとみや)、向原(むかいはら)などの遺跡が集中し、井戸尻遺跡群を形成している。井戸尻遺跡の住居跡からは12個の完形の土器や打製石斧(せきふ)、石皿などが出土しており、なかでも巨大な深鉢土器は、縄文中期中葉を代表するもので、「井戸尻式」と呼ばれている。1966年(昭和41)に国の史跡に指定され、住居を復元するなど史跡公園として整備された。遺跡の東には古くからの湧水があって豊富な水を利用した水生・湿生植物園が造られ、古代ハスをはじめとして春~夏はさまざまな花々で彩られるため、周囲の景観も含めて縄文の泉公園として憩いの場となっている。また、1975年(昭和50)に曽利遺跡の第4号住居跡から出土した縄文土器「四方眉月文深鉢(まゆづきもんふかばち)」などが近くの井戸尻考古館に展示されている。JR中央本線信濃境駅から徒歩約15分。

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