井上新庄(読み)いのうえしんしよう

日本歴史地名大系 「井上新庄」の解説

井上新庄
いのうえしんしよう

志野しの庄ともいう。井上本庄の西に位置し、同庄より分離した荘園であることは、建長二年(一二五〇)一一月日付の九条道家初度惣処分状(九条家文書)に示され、本庄が前摂政一条実経に譲られたのに対し、新庄は右大臣九条忠家に譲られ、「被高野山蓮華谷不断念仏」と記される。明徳三年(一三九二)一〇月日付の高野山金剛峯寺寺領注文写(「阿波国徴古雑抄」所収興山寺文書)には「(長田)新庄下司職当知行」とされるが、応永七年(一四〇〇)正月一八日の同寺領注文(勧学院文書)には「井上新庄 志野下司職 東南院護摩料」が不知行分のなかに記されている。

徳治三年(一三〇八)の粉河寺住僧連署請文(随心院文書)は「井上本新両庄」に関して記されるが、建武三年(一三三六)の九条道教家政所注進当知行分目録案(九条家文書)にはまだ当庄は含まれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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