井上光貞(読み)いのうえみつさだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「井上光貞」の意味・わかりやすい解説

井上光貞
いのうえみつさだ
(1917―1983)

日本史学者。東京都生まれ。井上馨(いのうえかおる)の曽(そうそん)、首相となった桂太郎の孫。1942年(昭和17)東京帝国大学文学部国史学科を卒業し、大学院に進む。坂本太郎、和辻哲郎(わつじてつろう)に師事。1946年文学部助手、1949年教養学部助教授。1957年インドのデリー大学、1961年アメリカのハーバード大学で教鞭(きょうべん)をとる。1961年東京大学文学部教授。1978年同名誉教授。アカデミックで実証主義的な古代史研究を進め、国家と天皇の起源、古代仏教史、古代日本と東アジアなどと、きわめて広い分野で戦後古代史学の基礎を築いた。1981年国立歴史民俗博物館初代館長。著書に『日本古代史の諸問題』『日本浄土教成立史の研究』『日本国家の起源』『日本古代国家の研究』、自伝『わたくしの古代史学』『井上光貞著作集』など。1983年2月27日没。

[編集部]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井上光貞」の解説

井上光貞 いのうえ-みつさだ

1917-1983 昭和時代の日本史学者。
大正6年9月19日生まれ。井上馨(かおる)の曾孫。桂太郎の孫。東京帝大在学中から坂本太郎の指導をうけ,古代政治史・仏教史の実証的研究をおこなう。昭和42年東大教授,49年文学部長。56年国立歴史民俗博物館初代館長。昭和58年2月27日死去。65歳。東京出身。著作に「日本浄土教成立史の研究」「日本古代国家の研究」など。

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