普及版 字通 「井(漢字)」の読み・字形・画数・意味
井
常用漢字 4画
(異体字)丼
常用漢字 5画
[字訓] いど・いげた
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
井げたのわくの形。〔説文〕五下に「家一井、韓(こうかん)(井の垣)の形に象る」とする。篆字は丼に作り、丼中の点を「(かめ)の象なり」と解し、伯益がはじめて井を作ったという起原説話をしるしている。卜文・金文には字を(けい)という国名に用いるほか、井の形には、人の首足に加える枷(かせ)の形で、のちの刑となるもの、鋳型のわくの形で、のちの形・型となるもの、陥穽として設けるもので、のちの穽となるものがあり、井は・刑・形・型・穽の初文である。〔孟子〕にみえるような井田法は、西周期の資料にその徴証を求めることはできず、文字が生まれた殷代には、もとより存しなかったものである。
[訓義]
1. いど。
2. いげた、いげたの形のもの。
3. むら、まち、みち。
4. 刑と通じ、刑。
5. 丼は、わが国ではどんぶり。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕井 四聲字に云ふ、井、和名爲(ゐ)。辨色立に云ふ、桔、加名奈爲(かなづなゐ)〔名義抄〕妙美井 シミヅ 〔字鏡集〕井 ホル・ノリ・トル
[声系]
〔説文〕に井声として(耕)・(穽)・(刑)など六字を収め、・を亦声とする。の従うところは陥穽、の従うところは首枷(くびかせ)の形である。
[語系]
井tzieng、(穽)dziengは声近く、いずれも深く垂直に掘りこんだもの。(刑)hyengは畳韻の語であるが声遠く、その形は首枷、形は同じであるが声義異なり、別系の語である。
[熟語]
井▶・井蛙▶・井飲▶・井塩▶・井屋▶・井椁▶・井壑▶・井幹▶・井坎▶・井檻▶・井気▶・井臼▶・井渠▶・井魚▶・井疆▶・井曲▶・井口▶・井谷▶・井市▶・井肆▶・井室▶・井甃▶・井牀▶・井上▶・井縄▶・井植▶・井水▶・井遂▶・井井▶・井税▶・井石▶・井渫▶・井泉▶・井然▶・井台▶・井地▶・井池▶・井中▶・井底▶・井泥▶・井田▶・井頭▶・井陌▶・井▶・井鮒▶・井甓▶・井辺▶・井畝▶・井圃▶・井傍▶・井牧▶・井味▶・井脈▶・井邑▶・井欄▶・井闌▶・井里▶・井閭▶・井廩▶
[下接語]
飲井・井・塩井・火井・画井・海井・陥井・寒井・丘井・旧井・井・郷井・玉井・掘井・古井・枯井・鑿井・四井・市井・修井・浚井・深井・井・藻井・塞井・天井・冰井・瓶井・方井・油井・閭井・霊井・露井・廬井
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報