五色(仏教用語)(読み)ごしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「五色(仏教用語)」の意味・わかりやすい解説

五色(仏教用語)
ごしき

仏教用語。サンスクリット語のパンチャ・バルナpañca-varaの意訳で、五正色(ごしょうじき)、五大色(しき)ともいう。仏教でいう青(しょう)・黄(おう)・赤(しゃく)・白(びゃく)・黒(こく)の5種類の色。インドの教団では法衣に用いてはならない色とされた。これに対して中間色の緋(ひ)・紅・紫・緑・黄(いおう)を五間色(ごけんじき)という。五色の配列順には諸説がある。この五色を信(しん)・精進(しょうじん)(勤(ごん))・念(ねん)・定(じょう)・慧(え)の五根(ごこん)にあてて、白を信色、赤を精進色、黄を念色、青を定色、黒を慧色とする。密教ではほかにこれらを五智(ごち)、五仏、五字などに配する説がある。この青・白・赤・黒・黄をそれぞれ東方・西方南方北方・中央の五つの方位にあてることもあるが、これには異説がある。

[池田練太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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