五胡（読み）ごこ

百科事典マイペディア

五胡【ごこ】

中国，華北で４世紀初頭より約１世紀半興亡を繰り返した周辺民族。匈奴(きょうど)系の匈奴，羯(けつ)，鮮卑(せんぴ)，チベット系の【てい】，羌(きょう)の５民族。後漢，三国時代から中国の北部，西部に移住していたが，晋の３世紀末からの〈八王の乱〉を契機に次々に自立，漢族で国を立てた３国を含め五胡十六国と総称される。

出典　株式会社平凡社

精選版 日本国語大辞典

ご‐こ【五胡】

〘名〙 中国、後漢以来、中国の北・西部に居住し、晉代に蜂起、独立した異民族。匈奴(きょうど)、羯(けつ)、鮮卑(せんぴ)、氐(てい)、羌(きょう)の五族をいう。前三者はモンゴルおよびツングース系（トルコ系ともいう）、後二者はチベット系に属する。→五胡十六国

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ご‐こ【五^×胡】

中国で、西晋末から華北に侵入し、独立した五つの民族。モンゴル系とされる匈奴きょうど・羯けつ・鮮卑せんぴと、チベット系の氐てい・羌きょうの五族をいう。

出典　小学館

普及版 字通

【五胡】ごこ

漢・晋のころ、北方から中国に侵入した五種の異民族。匈奴・羯(かつ)・鮮卑(せんぴ)・(てい)・羌(きよう)の五種、十六の国が興亡した。〔晋書、元帝紀論〕晉氏(はか)らず、中より外にれ、五胡鼎を扛(あ)げ（国を立てる）、七(きそん)す（亡ぶ）。滔天（悪徳）方(まさ)に駕し、則ち民其ののを懷(おも)ふ。

字通「五」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典内の五胡の言及

【五胡十六国】より

…4世紀初頭より約1世紀半，中国華北に分立興亡した国家群，あるいはその時代をいう。主権者の多くは五胡すなわち匈奴（きようど）･羯（けつ）(匈奴の一種)･鮮卑（せんぴ）(東胡系)･氐（てい）(チベット系)･羌（きよう）(チベット系)の非漢族で，これまでの漢族による中国統治の流れを大きく変えた時代である。また牧畜･狩猟民族と農耕社会との接触が深まり，それが政権の形成にまで発展した，文化史上特色ある時代である。…

※「五胡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社