五島慶太(読み)ごとうけいた

精選版 日本国語大辞典 「五島慶太」の意味・読み・例文・類語

ごとう‐けいた【五島慶太】

実業家長野県出身。東京帝国大学卒。昭和一七年(一九四二東京横浜電鉄に小田急・京浜の両電鉄統合して東京急行電鉄を創設し、社長となる。東条内閣に運輸通信相として入閣し、第二次世界大戦後追放。のち実業界に復帰し、東急グループ形成。明治一五~昭和三四年(一八八二‐一九五九

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デジタル大辞泉 「五島慶太」の意味・読み・例文・類語

ごとう‐けいた〔ゴタウ‐〕【五島慶太】

[1882~1959]実業家。長野の生まれ。旧姓小林農商務省鉄道院を経て東京近郊の私鉄経営に転じ、東京急行電鉄を設立。東急グループを創始した。東条内閣では運輸通信大臣。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五島慶太」の意味・わかりやすい解説

五島慶太
ごとうけいた

[生]1882.4.18. 長野
[没]1959.8.14. 東京
大正・昭和期の実業家。東急コンツェルンの創設者。長野県の農家の二男に生まれる。1911年東京帝国大学法科大学卒業後,農商務省を経て鉄道院に勤務。1920年民間に下り,武蔵電気鉄道(のち東京横浜電鉄)の常務取締役となる。旺盛な事業活動を展開し,1922年に目黒蒲田電鉄を設立,以後,池上電気鉄道,東京横浜電鉄,玉川電鉄小田急電鉄京浜電気鉄道,京王電気軌道の各社を合併して 1942年東京急行電鉄に統合,経営合理化,体質強化をはかった。交通事業を主軸にしながら,土地,住宅,百貨店など付帯事業も次々と拡大,いわゆる東急コンツェルンを築いた。1944年東条英機内閣の運輸通信大臣に就任。第2次世界大戦後は公職追放となり,また財閥解体によって傘下から東横百貨店(→東急百貨店),小田急電鉄京王帝都電鉄(→京王電鉄),京浜急行電鉄の各社が分離独立したが,1951年追放解除とともに東京急行電鉄会長に復帰。分離した各社を再び支配下に収め,東映の再建,白木屋の買収,土地開発や伊豆箱根の観光開発などを手がけ,東急グループを形成した。「事業の鬼」と呼ばれる手腕と覇気に富んだ人物像は,日本の実業界でも異色の存在であった。文化事業として五島育英会,五島美術館の設立,亜細亜大学の経営などを行なった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五島慶太」の意味・わかりやすい解説

五島慶太
ごとうけいた
(1882―1959)

実業家。東急グループの創始者。長野県の小林家に生まれ、結婚後五島姓となる。1911年(明治44)東京帝国大学卒業。農商務省、鉄道院を経て、1920年(大正9)武蔵(むさし)電気鉄道常務に就任。1924年同鉄道は東京横浜電鉄と改称、専務となる。また1922年目黒蒲田(かまた)電鉄を設立し、専務に就任。その後両社の社長となり、1939年(昭和14)二つを合併して東京横浜電鉄とする。1942年には小田急電鉄、京浜電気鉄道(現、京浜急行電鉄)を統合、東京急行電鉄(現、東急電鉄)とした。1944年、東条英機内閣の運輸通信大臣に就任。第二次世界大戦後、公職追放が解けるや交通分野を中心として多角経営を推進した。旺盛(おうせい)な事業活動から「強盗慶太」の異名をとる。1952年(昭和27)東京急行電鉄会長となる。

[前田和利]

『五島慶太伝記並びに追想録編集委員会編・刊『五島慶太の追想』(1960)』


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「五島慶太」の解説

五島慶太 ごとう-けいた

1882-1959 大正-昭和時代の実業家。
明治15年4月18日生まれ。鉄道院をへて武蔵電気鉄道(のち東京横浜電鉄と改称)常務となり,大正11年目黒蒲田電鉄の設立にくわわる。のち両社の社長となり,昭和14年両社を合併させる。さらに東京近郊の私鉄を統合して,17年東京急行電鉄社長となり東急グループを形成。19年東条内閣の運輸通信相。27年東急電鉄会長。昭和34年8月14日死去。77歳。長野県出身。東京帝大卒。
【格言など】俺は,その日のことはその日で忘れる主義だ(「決断力」)

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