云云(読み)ウンヌン

デジタル大辞泉 「云云」の意味・読み・例文・類語

うん‐ぬん〔‐ウン〕【××云】

[名](スル)《「うんうん」の連声れんじょう
引用した文や語句のあとを省略するときに、以下略の意で、その末尾に添える語。「この件について法的に問題がある云云との指摘があった」
あれこれ批評すること。とやかく言うこと。口をはさむこと。「軽々しく云云すべき事柄ではない」
言うに言われない事柄・事情
「被告玉との間に、何か―のあったには」〈木下尚江良人の自白
(「…と云々」の形で)…という話である。…ということである。文末間接話法で結ぶのに用いる語。

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精選版 日本国語大辞典 「云云」の意味・読み・例文・類語

うん‐ぬん【云云】

〘名〙 (「うんうん」の連声)
① 引用文あるいはそれに類する一続きのことばを記し、それ以下を省略したり、ぼかしたりするときに、その末尾に添えることば。多く「曰(いわ)く」と呼応して用いられる。しかじか。
※百座法談(1110)六月二六日「仏『汝等但能擁護受持法花名者福不可量云々』」
銃後(1913)〈桜井忠温〉二一「閣下にして談判に意(こころ)あらんには、〈略〉人道に対する吾等の義務なり云々(ウンヌン)
② 省略でなく、普通の文末を間接話法の形で結ぶことば。…という話である。…ということである。多く変体漢文などで「と云々」の形で用いられ、「といへり」「てへり」と読む慣用もある。
※打聞集(1134頃)智證大師験事「爾時弟子已前合点云々」
※俳諧・向之岡(1680)「於(ああ)春々大(おおいなる)哉春と云々〈芭蕉〉」
③ 言うに言われぬ事情があって、言うことを省略したり、ぼかしていったりする時に用いる。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「製糸屋(いとや)の次男と云ふのと、被告玉との間に、何か紛紜(ウンヌン)のあったには、相違無いな」
④ (━する) あれこれ言うこと。とやかく批評すること。「云々するまでもない」
江戸繁昌記(1832‐36)初「乃ち夫人(ひとびと)、厄する所以の理を論じ、防禦すべきの方を擬す。云々、喙を費やして置かず」
※桐畑(1920)〈里見弴愛経「娘はいいとしても、細君を云々(ウンヌン)するのは少し過激だね」
[補注]ほとんど「うんぬん」と訓まれるが、「うんうん」と訓まれた可能性もある。

かにも‐かくにも【云云】

連語〙 (連語「かにかくに」の「かに」と「かくに」のそれぞれ助詞「も」が付いたもの) 「かにかくに」に強調の意を加える。ともかくも。あれにせよこれにせよ。どうであれ。
万葉(8C後)四・六二八「白髪生ふる事は思はず変水(をちみづ)は鹿煮藻闕二毛(かにもかくニモ)求めて行かむ」
※良寛歌(1835頃)「世の中は越の浦わに生ふる藻のかにもかくにも波のまにまに」

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普及版 字通 「云云」の読み・字形・画数・意味

【云云】うんうん・うんぬん

しかじか。〔漢書、伝〕上(しやう)曰く、吾(われ)云云せんと欲すと。對へて曰く、陛下多欲にして外仁義を施す。奈何(いかん)ぞの治に效(なら)はんと欲するやと。上怒り、色を變じてを罷(や)む。

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