二階棚(読み)ニカイダナ

デジタル大辞泉 「二階棚」の意味・読み・例文・類語

にかい‐だな【二階棚】

寝殿造り調度の一。手回り道具などをのせておく二重の棚。二階
床の間書院などのわきに設ける二重の棚。

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精選版 日本国語大辞典 「二階棚」の意味・読み・例文・類語

にかい‐だな【二階棚】

〘名〙
寝殿造りの調度の一つ身辺の道具などをのせておく二重の棚。ふつう黒漆塗りで、持ち運びができる。
② 床の間や書院などのわきに設ける二重に造った棚。

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百科事典マイペディア 「二階棚」の意味・わかりやすい解説

二階棚【にかいだな】

二階とも。移動可能な置棚の一種で,2層の棚からなる。平安時代寝殿造では,押入の類がないため,これに火取,【ゆする】坏(ゆするつき),唾壺(だこ),打乱箱(うちみだればこ)などの調度を置いた。棚は,黒漆塗の上に蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)で装飾

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世界大百科事典(旧版)内の二階棚の言及

【厨子】より

… 一方,正倉院には,このような置戸棚風の箱形厨子のほか,後世の本棚のように天板や棚板に柱材を貫通して楔(くさび)で固定した棚厨子と呼ばれる形式のものも伝わっており,奈良時代には2様の厨子のあったことが知られる。この両者が組み合わさって平安時代には室内調度としての漆塗り二階厨子が生まれ,厨子棚をいっそう美しくしつらえた二階棚に発展するにいたったと考えられる。もちろん簡素な棚厨子が消滅したわけではない。…

※「二階棚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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