二言(読み)にごん

精選版 日本国語大辞典 「二言」の意味・読み・例文・類語

に‐ごん【二言】

〘名〙
① 二度ものをいうこと。また、同じことを二度いうこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浮世草子傾城歌三味線(1732)五「をれが悴が事に入られた金なれば、跡でふ埒にするであらふ。其時二言(ニゴン)といわせまい為、田地を書入させられたの」
② 一つの事柄について、前に述べたことと相反することをいうこと。言いかえること。約束を違えたりすること。
※康頼宝物集(1179頃)下「綸言汗のことし。天子は二言なしと申たり」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「いやいや、買ふて置く。なんぞいふてかい。君子二言(ニゴン)なしぢゃ」 〔新唐書‐隠逸伝・衛大経〕

に‐げん【二言】

〘名〙 =にごん(二言)〔文明本節用集(室町中)〕
※日葡辞書(1603‐04)「クンシニ niguen(ニゲン) ナシ

ふた‐こと【二言】

〘名〙 二つのことば。また、重ねていうこと。
平中(965頃)二九「さて、もろともに、物一言ふたこといひて」

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デジタル大辞泉 「二言」の意味・読み・例文・類語

に‐ごん【二言】

二度ものを言うこと。ふたこと。「一言、二言
前に言ったことと違うことを言うこと。「武士二言はない」

に‐げん【二言】

にごん(二言)

ふた‐こと【二言】

二つの言葉。「二言三言」

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普及版 字通 「二言」の読み・字形・画数・意味

【二言】にげん・にごん

虚言

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