じ‐もう【二毛】
〘名〙
※本朝文粋(1060頃)一・見二毛〈
源英明〉「今朝懸
二明鏡
一。照
二見二毛姿
一」 〔
潘岳‐
秋興賦序〕
※
菅家文草(900頃)二・賀中義「初有二毛更六年、此朝筋骨可
二神仙
一」
に‐もう【二毛】
〘名〙
① 白髪まじりの頭髪。また、その
年輩の人。
老人。じもう。
※
万葉(8C後)五・八〇四・序文「所以因作
二一章之歌
一以撥
二二毛之歎
一」 〔
春秋左伝‐僖公二二年〕
② (
中国、晉の潘岳「秋興賦并序」の「晉十有四年、余春秋三十有二、始見
二二毛
一」による) 三〇歳過ぎのこと。しもう。
に‐げ【二毛】
〘名〙 (「にけ」とも) 馬の
毛色の名。白・黒二色のまじった毛色。ねずみげ。
※
拾遺(1005‐07頃か)
物名・四二〇「いかるが、にけ。ことぞとも聞きだにわかずわりなくも人のいかるかにけやしなまし〈
凡河内躬恒〉」
ふた‐げ【二毛】
※北岡文庫本治承二年三月十五日権禰宜重保別雷社歌合(1178)「今よりは秋の
男鹿のふたけをも我がもとゆひのよそにやはみる〈
藤原隆房〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「二毛」の意味・読み・例文・類語
に‐もう【二毛】
白髪のまじっている髪。また、そのような老人。
「―の嘆きを撥はむ」〈万・八〇四・題詞〉
ふた‐け【二毛】
鹿の毛の地色に、他の色が加わること。夏は赤みを、秋は黒みを帯びる。
「落ちかはる―の鹿のくもり星ややあらはるる夏はきにけり」〈夫木・七〉
に‐げ【二毛】
《「にけ」とも》馬の毛色の名。白黒2色まじったもの。「逃げ」に掛けることもある。ねずみげ。
「忠清は―の馬にぞ乗りにける」〈平家・五〉
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普及版 字通
「二毛」の読み・字形・画数・意味
【二毛】にもう(まう)
白髪まじり。晋・潘岳〔秋興の賦の序〕余(われ)春秋三十二、始めて二毛を見る。字通「二」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報