二千里外故人の心(読み)にせんりがいこじんのこころ

故事成語を知る辞典 「二千里外故人の心」の解説

二千里外故人の心

遠く離れた友人のことを思う気持ち。

[使用例] こんな消息に通じるには、おのれの中にモリエルその人を感じていなければ駄目である。〈略〉二千里外に故人の面を見ようと思ったら、どうしても自らくるしまねばならぬ[芥川龍之介雑筆|1920]

[由来] 八~九世紀、唐王朝の時代の中国の詩人はくきょ(号は楽天)の詩の一節から。中秋名月の夜、都の宮殿宿直をしながら、遠く離れた南の町に左遷されている親友の身を案じて、「さんちゅう新月の色、二千里外故人の心(昇ってきたばかりの十五夜の月を眺めていると、二千里もの遠くに離れた親友のことが思われる)」とうたっています。なお、「里」は昔の距離の単位で、この時代の中国の一里は、約五六〇メートルです。

〔異形〕せんほか故人の心。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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