予告登記(読み)よこくとうき

精選版 日本国語大辞典 「予告登記」の意味・読み・例文・類語

よこく‐とうき【予告登記】

〘名〙 登記原因の無効や、取消理由として、裁判所に登記抹消や登記回復訴訟提起された場合に、その裁判所の嘱託によって記入される登記。〔不動産登記法(明治三二年)(1899)〕

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デジタル大辞泉 「予告登記」の意味・読み・例文・類語

よこく‐とうき【予告登記】

登記原因の無効または取り消しを理由とする登記の抹消または回復の訴えが提起されたとき、第三者に警告する目的で、受訴裁判所の嘱託によってなされる登記。予備登記の一。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「予告登記」の意味・わかりやすい解説

予告登記
よこくとうき

不動産登記法における予備登記の一つ。2005年(平成17)改正前の不動産登記法第3条では、登記原因(売買契約、抵当権設定契約など)の無効または取消しを理由として登記の抹消または回復の訴えが提起された場合にされる登記が認められていた。これは、問題の不動産について訴えの提起があったことを広く第三者に知らせ、警告するための登記であった。しかし、不動産の取引きや強制執行を妨害する目的で予告登記がなされ、その悪用がみられたこともあり、2005年の不動産登記法改正によって廃止された。

[高橋康之・野澤正充]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「予告登記」の意味・わかりやすい解説

予告登記
よこくとうき

旧不動産登記法に定められていた登記制度。登記原因の無効または取り消しによる登記の抹消,回復の訴えが起こされたことを第三者に警告するために行なわれる登記(2004改正前不動産登記法3)。予備登記の一種。訴えを受理した裁判所の嘱託によって行なわれ(34条),将来判決によって登記が抹消,回復される可能性があることを警告するという事実上の機能をもつだけであって,登記本来の効力をもつものではなかった。このように法的にはほとんど実益がなかったため,2004年不動産登記法の大改正により廃止された。

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