了(漢字)

普及版 字通 「了(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

[字音] リョウ(レウ)
[字訓] もつれる・おわる・さとる・あきらか

[説文解字]

[字形] 象形
ものをねじる形。〔説文〕十四下に「(もつれ)るなり。子の臂(ひぢ)無きに從ふ。象形」とし、子の両臂のない形とする。(りよう)十下には「行くに脛相ひはるなり」とし、「牛の行脚相ひはるをと爲す」という。〔段注〕にその文を後人箋注の文とし、今の俗語に「了(れうれい)」という語であるとする。了戻繚戻(りようれい)、了は象形。繚がその意の形声字である。了はおそらく糸のもつれる形、ゆえに終結の意となる。(終)の初文は(冬)。卜文・金文の字形では、糸の両糸の末端を結びとめた形である。了解・分明の意は(りよう)の仮借(りよう)は燎火の象。衣服のだらりと下がる形は了鳥、男子の陰茎を了というのは、その形よりしていう。

[訓義]
1. もつれる、たれる。
2. おわる。
3. と通じ、あきらか、さとる、わかる。
4. だらりとたれる、たれたもの。

[古辞書の訓]
名義抄〕了 ヲハル・ツヒニ・アキラカナリ・サトル・ヤム

[部首]
〔説文〕に子の左臂、右臂を欠く字をあげるが、その字は連文にしてぼうふらをいい、その象形。〔広雅、釈虫〕「孑(けつけつ)は(けん)なり」の〔郭璞注〕に「井中の小(きつけつ)、赤蟲なり」とあって、がその声である。孑遺(げつい)の義は(げつ)、ひこばえの義でその仮借。また(げつ)は(げつ)、はもと孑の声をとる字であろう。

[語系]
了・繚・・撩・料lyは同声。了は糸のもつれる形。繚はその形声字。火、庭燎の象形字)に従って、明慧の意。料は料理、撩と声義通じ、〔説文〕十二上に「撩は理なり」とみえる。

[熟語]
了意了飲・了解了完了却了慧・了結・了語了悟了察・了事・了承了然・了脱・了知・了鳥・了徹・了当・了得・了畢・了了・了戻・了劣
[下接語]
閲了・解了・完了・議了・暁了・結了・校了・事了・修了・終了・到了・読了・飯了・分了・弁了・忘了・満了・未了・魅了・明了

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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