乾闥婆・健達縛（読み）けんだつば

精選版 日本国語大辞典

けんだつば【乾闥婆・健達縛】

[1]

[一] (Gandharva 尋香行、香行、香陰などと訳する) 仏語。八部衆の一つ。帝釈天(たいしゃくてん)に侍し、伎楽をつかさどる神。地上の宝山中に住み、ときに忉利天にのぼって楽を奏するといい、酒肉を食わず香だけを食するとされる。また、新婚夫婦の閨房をうかがう好色神ともされる。乾闥婆王。〔法華経‐法師品〕

[二] (栴檀乾闥波神王の略) 仏語。胎児、小児などの守護神。

[2] 〘名〙

① 仏語。死後、次の生を得るまでの中間の身。もっぱら香を食とする。中有（中陰）ともいう。

② 「けんだつばじょう（乾闥婆城）」の略。

③ 西域で、俳優の称。飲食物を尋ね、音楽を奏してさまようという。その楽人は楼閣を幻作するという。〔法華玄賛‐二本〕

出典　精選版 日本国語大辞典