精選版 日本国語大辞典 「乾湿運動」の意味・読み・例文・類語
かんしつ‐うんどう【乾湿運動】
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死んだ細胞の細胞壁の吸湿または乾燥によっておこる純物理的運動。膨潤運動(ぼうじゅんうんどう)ともいう。莢(さや)や蒴(さく)などの果実が列開する場合とか、スギナ胞子の弾糸(だんし)の運動、野生エンバク種子の芒(のぎ)のねじれ運動などがこれである。吸湿による膨潤や乾燥による収縮の方向は、細胞壁を構成するセルロース・ミセル(セルロースを構成する微結晶粒子)の配列状態で決められる。すなわち、伸縮は各ミセルの軸に対して直角の方向におこる。したがって、たとえばマメ科植物の莢では繊維細胞の細胞壁ミセルは斜めに配列し、外表皮のものは縦に配列しているため、収縮に際してねじれを生じる。
[勝見允行]
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