乾咳・空咳(読み)からせき

精選版 日本国語大辞典 「乾咳・空咳」の意味・読み・例文・類語

から‐せき【乾咳・空咳】

〘名〙 (「からぜき」とも)
咽喉(のど)にしめり気がないためにおこる、痰(たん)のからまない苦しい咳。からっせき。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二五「苦しさうな虚咳(カラゼキ)が紛れぬ心当で」
② (空咳) (「から」は接頭語) わざとするせきばらい。気取ったり、気まずさをごまかしたり、合図のためなどにする咳。
十三夜(1895)〈樋口一葉〉上「烟にまぎらす烟草二三服、空咳(カラセキ)こんこんとして涙を襦袢の袖にかくしぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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