乳漏症(読み)にゅうろうしょう(英語表記)galactorrhea

世界大百科事典 第2版 「乳漏症」の意味・わかりやすい解説

にゅうろうしょう【乳漏症 galactorrhea】

生理的な乳汁分泌は産褥(さんじよく)期の授乳中にのみみられるが,これ以外のときに非生理的乳汁分泌が起こる状態をいう。多くの場合に血中プロラクチン値の上昇が認められる。原因となる疾患には,間脳―脳下垂体系の障害,脳下垂体腫瘍,異所性プロラクチン産生腫瘍,原発性甲状腺機能低下症,薬剤,外傷その他胸部疾患などがあるが,とくに原因が明らかでないものもあり,これを特発性乳漏症という。乳汁分泌を促すホルモンであるプロラクチン(PRL)は,脳下垂体前葉から分泌されるが,産褥期以外は間脳(視床下部)から分泌され,脳下垂体門脈を経て脳下垂体前葉に運ばれて作用するプロラクチン分泌抑制因子によって抑制されている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「乳漏症」の解説

乳漏症

 →乳汁漏出

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