乳汁漏出症治療剤(読み)ニュウジュウロウシュツショウチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「乳汁漏出症治療剤」の解説

乳汁漏出症治療剤

製品名
《テルグリド製剤》
テルグリド(富士製薬工業)
テルロン(バイエル薬品
《ブロモクリプチンメシル酸塩製剤》
アップノールB(高田製薬)
パドパリン(寿製薬)
パーロデル(サンファーマ、田辺三菱製薬
ブロモクリプチン(ダイト、辰巳化学、東和薬品、日医工、富士製薬工業、富士フイルムファーマ、扶桑薬品工業)
ブロモクリプチンメシル酸塩(共和薬品工業)

 脳を刺激して産後の乳汁にゅうじゅう分泌を抑えるはたらきがあり、乳汁漏出症排卵障害の治療に用います。ブロモクリプチンメシル酸塩製剤は、そのほかに末端肥大症下垂体性巨人症産褥性乳汁分泌抑制高プロラクチン血性排卵障害高プロラクチン血性下垂体腺腫パーキンソン症候群にも応用されます。


 過敏症状(発疹ほっしんなどのアレルギー症状)のほか、ブロモクリプチン塩酸塩では、ショック、胸膜線維症、肺線維症、幻覚、妄想、せん妄、消化性潰瘍かいよう、胃腸出血、悪性症候群(発熱・意識障害・発汗)、突発的睡眠、起立性低血圧、けいれん、後腹膜線維症、脳血管障害、心臓弁膜症、心臓発作、胸膜炎、心膜炎、高血圧、急な血圧低下などがおこることがあります。こうした症状が現れたときは、使用を中止して医師に相談してください。


 吐き気嘔吐おうとめまいふらつき、頭痛、食欲不振、便秘、精神症状、肝臓障害、血圧低下、ほてり、胸部不快感、むくみ、鼻づまりなどが現れることがあります。こうした症状が現れたときは、医師に相談してください。


錠剤です。1日の服用回数、1回の服用量については、指示をきちんと守ってください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。とくに、麦角製剤に対して過敏症状をおこしたことのある人、妊娠高血圧症候群、産褥さんじょく期高血圧のある人は使用できません。さらに、ブロモクリプチン塩酸塩製剤では、心エコー検査で心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限およびこれらに伴う狭窄などの心臓弁膜の病変が確認された人およびその病歴がある人は、使用できません。心臓や血管、肝・じん機能に障害のある人、消化性潰瘍のある人も使用できません。


妊婦または現在妊娠する可能性のある人、母乳で授乳中の人は、必ず医師に報告してください。


④血圧降下、突発性睡眠が現れることがあるので、自動車運転危険の伴う作業はしないでください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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