乳がんの自己発見法(読み)にゅうがんのじこはっけんほう

家庭医学館 「乳がんの自己発見法」の解説

にゅうがんのじこはっけんほう【乳がんの自己発見法】

 日本の女性の乳がんは、2020年ころには女性のがん罹患率(りかんりつ)・死亡率ともに第1位になるだろうといわれています。したがって、早期発見・早期治療が必要になってきます。
 病院の乳腺(にゅうせん)外来を訪れる人の訴えの多くは「しこりを触れた」ですが、そのうちの90%以上は、自分で気がついたものです。
 このように、乳がんは自分で発見することのできる数少ない悪性腫瘍(あくせいしゅよう)の1つですので、ふだんから乳房の自己触診(じこしょくしん)を行ない、異常を早期に発見するように心がけましょう。
 乳房の自己検診は、毎月一定の日を決めて行ない、しこりやひきつれがないか、皮膚の色はどうか、乳頭(にゅうとう)から異常な分泌(ぶんぴつ)はないかを調べます。
 女性の乳腺は、ホルモンの関係上、月経直前・直後や月経中は全体に張っているために、乳がんの診断時期としてふさわしくありません。月経終了後4~7日ごろがもっともよい時期です。
 閉経後の人の場合は、いつでもよいですから、日を決めて調べましょう。
 自己触診法(じこしょくしんほう)(図「乳がんの自己発見法」)は、調べる乳房とは反対側の手で行ないます。乳房の外側から内側上側から下側というように、手のひら指先で全体をなでるようにしてまんべんなくさわり、けっしてわしづかみにしてはいけません。わきの下も忘れずに調べましょう。最後に、乳頭を軽くつまんで、異常な分泌がないかを調べます。
 検診の結果は、毎月の比較をするために、ぜひメモをしておきましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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