九日(読み)ここぬか

精選版 日本国語大辞典 「九日」の意味・読み・例文・類語

ここぬ‐か【九日】

〘名〙
① 日の数九つ。また、九日間。ここのか。
土左(935頃)承平四年正月三〇日「けふ、舟に乗りし日より数ふれば、みそかあまりここぬかになりぬ」
② ある日を第一日として第九日目。ここのか。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「九日にあたりける夜になんあそばれけるはいかにせしぞ」
③ 暦の月の初めから九番目の日。ここのか。
※中院本後撰(951‐953頃)秋下・三九六・詞書「なか月のここぬかの日、つるのなくなりたるをみて」
④ 特に、九月九日重陽節供のことを、月を明示せずにいう。
※読本・雨月物語(1776)菊花の約「重陽(ココヌカ)佳節をもて帰り来る日とすべし」
[補注]②の「宇津保」の例は、特に生後九日目に行なわれた産養(うぶやしない)のことをいう。

ここの‐か【九日】

〘名〙 (「ここぬか」の変化した語)
※天草本平家(1592)二「ヲヨソ ヤウカ、coconocagi(ココノカヂ) ニワ ヒッタト ツヅイテ」
※天草本平家(1592)四「ヲナジ シチグヮツ coconocano(ココノカノ) ウマノコク バカリニ」
[補注]「ここのつ」との対比からココノカの方がココヌカよりも古いと見られがちだが、平安・鎌倉時代の仮名書き例はすべてココヌカ。→け(日)ここぬか(九日)

く‐にち【九日】

〘名〙
① 九つの日の数。ここのか。
毎月の九番目の日。多く九月九日の重陽の節供の日をいう。ここのか。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「クグヮツ cunich(クニチ)

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デジタル大辞泉 「九日」の意味・読み・例文・類語

ここの‐か【九日】

日の数の九つ。9日間。
月の第9の日。
陰暦9月9日。重陽ちょうよう節句
「―の御節供に持て来たり」〈宇津保・楼上下〉

ここぬ‐か【九日】

ここのか」に同じ。
三十日みそかあまり―になりぬ」〈土佐

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普及版 字通 「九日」の読み・字形・画数・意味

【九日】きゆうじつ

九月九日、登高の日。

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