九六式陸上攻撃機(読み)きゅうろくしきりくじょうこうげきき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「九六式陸上攻撃機」の意味・わかりやすい解説

九六式陸上攻撃機
きゅうろくしきりくじょうこうげきき

日本海軍の中翼単葉双発の陸上攻撃機。 1934年に初飛行し,九六陸攻と略称されて日本の航空近代化の幕を開け,日中戦争初期から太平洋戦争初期まで6年間にわたって使われた。その特徴は,外国技術の模倣を脱して日本独自の技術で開発されたこと,日本から中国奥地までの長距離の渡洋爆撃が可能だったこと,航空機で戦艦を撃沈しうると実証したことなどで,世界最初の戦略的航空作戦を実施して航空戦史に残した足跡は大きい。また 1939年に毎日新聞社の『ニッポン』号として世界一周を果たし,実用性と信頼性を実証した。エンジンは三菱金星 42型 (1075馬力) 2,乗員7,全長 16.5m,全幅 25,0m,総重量 8000kg,最大速度時速 377km,航続距離約 4600km。武装は 20mm機関砲1,7.7mm機関銃2,爆弾搭載量 800~1000kgで,魚雷の搭載も可能。三菱重工業中島飛行機などで総数 1048機を生産。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android