乗掛(読み)のりかける

精選版 日本国語大辞典 「乗掛」の意味・読み・例文・類語

のり‐か・ける【乗掛】

[1] 〘他カ下一〙 のりか・く 〘他カ下二〙
① 乗ったままで突っかける。
曾我物語(南北朝頃)一「滝口大なる伏木に馬をのりかけ、まっさかさまにはせ倒す」
乗物などを、障害物や他の乗物に衝突させて、勢いあまってその上に乗せてしまう。
※廻船大法之巻(16Cか)「走船の時、風下の船に乗掛突割たる時は」
[2] 〘自カ下一〙 のりか・く 〘自カ下二〙 乗ろうとする。また、中途まで乗る。のりかかる。

のり‐かか・る【乗掛】

〘自ラ五(四)〙
① 上に乗って、からだをよりかからせる。乗ってうちまたがる。のっかかる。
平家(13C前)四「水しとまば、さんづのうへにのりかかれ」
② 乗物に乗ろうとする。乗ろうとしはじめる。のりかける。
③ なし始める。着手する。
④ 航行中の船が他船に衝突する。
※大坂廻船御法写(1826)「風下之船に乗懸りつき沈る時は」

のっ‐かか・る【乗掛】

〘自ラ五(四)〙 「のりかかる(乗掛)」の変化した語。
史記抄(1477)五「始皇は我と議せよとて自僭するぞ。のっかかりた心かあるぞ」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)千里が竹「怯(ひる)む所をのっかかり、足下に確(しっ)かと踏まへしは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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